インタビュー | 2024.8.2 Fri.
『遊ぶことよりも、格闘技のことを考えていたい』
彼は今年2月に開催された『AMAZING MUAYTHAI WORLD FESTIVAL 2024』で、WBCムエタイジュニア世界チャンピオンに輝いた渡部 要選手。
最初は泣き虫だった少年が、今ではプロを目指して日々切磋琢磨しています。
今回は、チャンピオンになったときの心境や、これまでの歩み、そして今後の目標についてインタビューしました。
渡部 要 (わたべ かなめ)
生年月日:2011年12月10日
出身地:神奈川県
所属:サクシードジム
経歴:
WBCムエタイジュニア世界チャンピオン
Bigbangアマチュア−37kg王者
NJKF EXPLOSION U12 37kg級王者
SMASHERS 37kg級王者
世界チャンピオンになれたことは素直に嬉しい
―まずは、自己紹介をお願いします。
渡部要選手)SUCCEED GYM 本厚木 所属の渡部要です。中学1年生です。
―今年の2月はタイに行き、ルンピニースタジアムで試合を行いましたね。ここでWBCムエタイジュニア世界チャンピオンになりましたが、まずはチャンピオンになったお気持ちをお聞かせください。
渡部要選手)海外に行って試合をして、世界チャンピオンになれたことは素直に嬉しいです。でも、日本で階級を上げるごとに強い選手がまだいて、勝ってない選手もいるので、それに向けてまた頑張ろうって思いました。
―タイでの試合はどうでしたか。会場の雰囲気など凄かったんじゃないですか。
渡部要選手)観客がもう何百人といて、凄い雰囲気の中で試合がやれました。
―その年齢からルンピニースタジアムで独特な雰囲気の中、試合をやれたことは大きな経験でしたね。普段と違い難しいと思う場面はありましたか。
渡部要選手)試合の進み具合も全然違っていて、予定通りじゃないこともたくさんあったし、コンディションも崩れそうな場面もありました。でもすごく嬉しかったし楽しめました。
―帰国してからは周りの選手や友達からどんな声かけがありましたか。
渡部要選手)試合会場で会うたびに、おめでとうと言ってもらえるのがすごく嬉しかったです。
―暑さもそうですが、普段とは寝泊まりするところも異なるし、環境が今までとは異なるので調整の難しさは感じなかったですか。
渡部要選手)そうですね。でも嫌だなとは思うこともなく、家で過ごしてるみたいな感じで過ごしていました。
―食事も特に気にならなかったですか?
渡部要選手)はい。全然平気でした。美味しかったです。
―前々から海外で試合をやってみたいなっていう気持ちは強かったですか?
渡部要選手)ずっと思っていました。でも、海外は遠いから行けるかなみたいな感じで思ってました。
―海外で試合をしたいと思ったきっかけを教えてください。
渡部要選手)ルンピニースタジアムでタイ人の選手が試合してるのをYouTubeとかで見て、1回はそこで戦ってみたいなと思ってました。
最初は泣いてばかりで楽しいと思えなかった
―4歳からキックボクシングを始めたそうですが、始めたきっかけを教えてください。
渡部要選手)お母さんにジムに連れてこられたのがきっかけです。
―キックボクシングを始めてすぐ楽しいと感じましたか。
渡部要選手)いや、最初はずっと泣いていました。
―どのタイミングでキックボクシングが面白いと思いましたか。
渡部要選手)小学3年生くらいの時に試合で勝って、その後も勝って、連勝が続いて楽しいなって思えるようになりました。
―それがきっかけで、キックボクシングを続けていきたいなと思ったんですね。
渡部要選手)そうですね。
―他にもスポーツはされていたんですか?キックボクシング以外に得意なスポーツはありますか。
渡部要選手)全然やってないです。球技が苦手であまりスポーツは得意じゃないと思ってます。
―キックボクシングとの相性が良かったんですね。キックボクシングを始めて、今までと比べて私生活や性格は変わりましたか?
渡部要選手)初めて会う人に今までは自分から話しかけるタイプじゃなかったんですけど、人と関わることも多くなったので、自分から話しかけられるようになりました。
―スポーツを通じてコミュニケーションが取れるようになったのは良い事ですね。憧れている選手はいますか?
渡部要選手)憧れている選手は吉成名高 選手で、動きとかも今少しずつ真似しています。
―日本で今一番有名なムエタイの選手ですね。お会いしたことはありますか?
渡部要選手)この前、写真を一緒に撮ってもらいました。
―一緒に写真を撮ってもらってどうでしたか。
渡部要選手)すごかったし、嬉しかったです。
―憧れの選手と出会えるのは大きなモチベーションになりますよね。今のご自身のプレイスタイルを教えてください。
渡部要選手)左のミドルキックを中心にした戦い方が得意なんですけど、パンチも入れたスタイルでやっている感じです。
―今はプロになりたいと思いながら毎日練習をされてると思いますが、最初からプロになりたいなと思っていたんですか。
渡部要選手)小学3年生の時に試合で勝って面白いなと思って、プロになりたいなと思いました。
―これまでで1番印象に残ってる試合、もしくはベルトはありますか。
渡部要選手)今年の4月に行われたBigBangの40キロ級王座決定戦で、それまで5回戦って1回も勝てていなかったんですが、今回は判定で微妙なところでしたが、延長戦の末、2対1で勝利することができました。すごく嬉しかったです。
―練習の成果が出た試合だったんですね。試合前に心がけてること、ルーティーンはありますか。
渡部要選手)試合前に、応援だったらいいんですけど、普通に喋りかけられると乱れちゃうんで、とにかく一人で集中しています。
―試合前は試合に集中するために一人の時間が必要なんですね。試合の日にこれを食べるとか、決めているものはありますか。
渡部要選手)試合前は、エネルギーがとれて飲みやすい、食べやすいものを食べてます。
―減量中はあまり食べられないと思いますが、試合が終わった後に、自分へのご褒美として、1番最初に何を食べていますか。
渡部要選手)その時々で変わりますが、大体脂っぽいものです。
―減量中は、どういう時が辛いなと思いますか。
渡部要選手)体重が思っていた通りの体重じゃないと、もうちょっと制限しなきゃなと思って、それできつくなったりします。
遊ぶことよりも格闘技の事を考えていたい
―トレーニングで心がけていることはありますか。
渡部要選手)今は特に追い込み練習とかもそうなんですけど。追い込み練習で疲れがたまるので、疲れを抜くっていうのも心がけています。
―疲れを抜くためには何をしていますか。
渡部要選手)疲れが溜まると本当に動きが悪くなっちゃうので、追い込み練習がきつい時は休みながら技術練とかにして抑えています。
―疲労は怪我に繋がることが多いのでケアが必要ですね。ご家族からどのようなサポートを受けていますか。
渡部要選手)親は「減量中だから、これなら食べていいよ」みたいな感じで買ってきてくれたり、体重がコントロールできるご飯を用意してくれます。あとは練習メニューも、試合前になると、ちょっと抑えつつ、コントロールしてくれます。
―プライベートの時間はどのように過ごしていますか。
渡部要選手)遊びたいって思う時は本当にたまにしかなくて、大体はYouTubeで試合動画とかを研究しています。
―格闘技漬けの毎日を過ごしているんですね。今後はどのようなキャリアを歩んでいきたいですか。
渡部要選手)RISEやRIZINのような大きな大会で結果を出してチャンピオンになりたいなと思っています。
―今後の目標を教えてください。
渡部要選手)チャンピオンになれたとしても、ものすごく強い相手に勝たずにチャンピオンになるっていうのは、それは違うなと思ってます。ちゃんと強い選手に勝って、チャンピオンになりたいなと思ってます。
―また海外でも戦いたいですか。
渡部要選手)戦いたいです。GLORYにも行ってみたいです。
―今後の活躍も期待しております!今日はありがとうございました!
渡部 要 選手
RDX Japan編集部
インタビュアー 上村隆介