インタビュー | 2026.4.9 Thu.
『王者のなかの王者を決める大会だからこそMVPの価値は格別だ』
ジュニア格闘技界で数多くのベルトを獲得してきた新鋭・辻畑陽気選手。
圧倒的な実績を持ちながら、彼は「自分は決して運動神経が良いわけではない」と意外な告白をする。
それでも結果を残し続けられるのは、敗北から得た「悔しさ」を糧にしてきたからだ。
今回は、ULTIMA TEMPEST 2026での激闘の舞台裏、そして彼の強さの背景について話を伺った。
辻畑 陽気(つじはた はるき)
生年月日:2011年8月12日
所属:Determination
出身地: 大阪府堺市
経歴:
ULTIMA TEMPEST2026 MVP
bright 3階級王者
NEXT LEVEL 日本統一王者3階級王者
他12冠

最強が集まるからこそ自信に繋がるMVP
ーまずは「ULTIMA TEMPEST 2026」MVP受賞、本当におめでとうございます!選ばれた瞬間のお気持ちはいかがでしたか?
辻畑) ありがとうございます。これまでMVPに選ばれたことが一度もなかったので、「嬉しい」という気持ち以上に、正直「驚き」の方が大きかったです。
ーこの大会は各団体のベルト保持者しか出場できない、まさに「王者のなかの王者」を決めるハイレベルな大会でした。そこでのMVP獲得は、これまでのタイトルと比べても意味合いが違いますか?
辻畑) 「最強が集まる大会」でMVPを獲れたことは、めちゃくちゃ自信になりました。これからは「この大会で一番評価された」と言えますし、自分にとっても特別な大会になったと感じています。
ー今大会に向けて、具体的に技術面で強化したポイントはあったのでしょうか。
辻畑) 僕はパンチが大ぶりになる癖があったので、それをコンパクトにまとめられるように意識して練習しました。足の運び(ランジ)や、パンチから蹴りへの繋ぎなど、打撃の配合を丁寧に修正しました。
ーその成果が、実際の試合でも現れましたか?
辻畑) そうですね。相手が入ってきたタイミングでハイキックを当てて、相手がマットに手をつくダウンを奪えた場面があったんです。パンチと蹴りをしっかり混ぜて戦えたので、自分でも満足できる内容でした。

負けは強くなるための通過点
ー現在はジュニア大会で数々のベルトを獲得していますが、辻畑選手が格闘技を始めたのは何歳からなんですか?
辻畑) 幼稚園の年長、6歳の時です。お兄ちゃんがやっているのを見て、かっこいいなと憧れて始めました。
ー当時は他のスポーツも格闘技と並行してやったりしていましたか?
辻畑) 実は球技がめちゃくちゃ苦手なんです(笑) 足も特別早いわけでもないですし。でも、みんなでやるスポーツより、自分一人で戦う格闘技の方が自分に合っていたんだと思います。
ー意外ですね、今のスピード感溢れるスタイルからは想像できません。いつ頃から今のような強さを発揮できるようになったのですか?
辻畑) 小学5〜6年生の頃、関西一を決める大きな大会で負けたことがあったんです。その大会のために休みなしで死ぬ気で頑張ったのに負けてしまって……。そこからですね。「もっとやりたい、もっとやらなきゃダメだ」って、キックに対する意識がガラッと変わりました。その次の試合から、目に見えて強くなっていった実感があります。
ー挫折が大きな転機になったのですね。今、ご自身で思う「自分の強み」は何だと思われますか?
辻畑) やっぱり「スピード」です。出入りの速さと、相手をよく見て合わせるカウンターには自信があります。ステップについてもよく褒めていただくのですが、そこは意識しているというよりは、無意識に体が動いている感じです。
ー練習環境についても教えてほしいのですが、所属されている「Determination(デタミネーション)」はどんなジムですか?
辻畑) 初心者の方でも通いやすいですし、何より「礼儀」をしっかり学べるのがいいところです。
ー辻畑選手とお話ししていると、非常に律儀で礼儀正しい印象を受けます。それはジムの教えが大きいのでしょうか。
辻畑) それもあると思います。以前、ジムの先生に「敬語はちゃんと使いなさい」と厳しく叱られたことがあって。そこからは礼儀や言葉遣いを大切にするようになりました。
ー人として大切なことですよね。厳しい練習の合間に、私生活でリラックスする時間はありますか?
辻畑) スマホゲームの「ブロスタ」を友達とやったり、あとは寝たりすることですね。でも今は格闘技の練習のほかに塾もあって、学生生活は結構忙しいです。正直、勉強は全然楽しくないですけど(笑)
ーそこは学生ならではの忙しさですね(笑) まだ減量はそこまでしていないかもしれませんが、食生活で気を付けていることはありますか?
辻畑) 減量はそれほど厳しくないですが、試合前はお菓子を一切断ちます。お母さんが栄養バランスを考えて食事を作ってくれるので、本当に感謝しています。試合が終わったら、大好きな「じゃがりこ」や甘いものを思い切り食べるのが楽しみです(笑)
嬉しい半面、危機感もある
ー今回、MVPを獲得したことでRDXの「ネクストブレイクアンバサダー」として用具の提供が始まります。実際にRDXの製品(WAKOシリーズ等)を使ってみた感想はいかがですか?
辻畑) 僕はグローブの「握りやすさ」や「軽さ」を重視しているのですが、RDXのグローブはすごく使いやすくて気に入っています。あとはサポートしてくれているので、もっと頑張らないとなって思います(笑)
ー今後の具体的なタイトルとしての目標を教えてください。
辻畑) WBC(WBC MUAYTHAI × EXPLOSION)の全国大会、そして最終的には世界のベルトを獲りたいです。まずは来年の「ULTIMA TEMPEST」でもう一度タイトルを獲ることを目指して、また厳しい練習を積み重ねていきます。
ー最後に、これからの目標を教えてください。
辻畑) 将来はプロも考えていますが、今はキックだけでなくMMA(総合格闘技)やボクシングにも興味があります。憧れは堀口恭司選手。ただ強いだけじゃなく、みんなから応援されているところが本当にかっこいい。僕も「誰からも応援される選手」になりたいです。
ー改めてMVP獲得おめでとうございます!今後も応援しております。
辻畑 陽気
RDX Japan編集部
インタビュアー 上村隆介


