いまや野球、サッカー、バスケと並ぶ人気プロスポーツ「総合格闘技」。
小さい頃からプロを目指すキッズも少なくありません。
沖縄県宜野湾市出身の知名昴海(ちなすかい)選手もその一人。4歳で空手を始め、
柔術、キックボクシングとステップアップ。2022年6月に行われた総合格闘技の
「アマチュア修斗(シュート)沖縄選手権」のストロー級では見事優勝しました。
現在高校1年生。プロの総合格闘技選手になる夢に向け、日々練習に励む
知名昴海(ちなすかい)選手に、その思いや将来について話を伺いました。
プロフィール
知名昴海 選手
生年月日
2006年7月21日
出身地
沖縄県宜野湾市
経歴
COPA LAS CONCHAS JIU JITSU OKINAWA 2019
(黄帯/ライト級ー40.8kg)優勝
SJJJF プレ柔術甲子園2021 黄帯
フェザー級(−57.2kg) 準優勝
2022年アマチュア修斗沖縄選手権
ストロー級 優勝
その他、多数
―自己紹介をお願いします。
八洲(やしま)学園大学国際高校の芸能スポーツクラス1年の知名昴海です。総合格闘技をやっています。
―最近の一番自慢できる成績は?
6月の修斗の沖縄の選手権で優勝したことですね。
―嬉しかったですか?
嬉しかったですね。それに勝てたことで10月にある全日本に出られるんで。今までで一番嬉しいかもしれません。
―今まで全日本大会に出たことはなかったんですか?
柔術で世界大会(※)に出たことはありますが、総合格闘技で全日本に出るのは初めてです。
―ワクワクが多いですか? ドキドキが多いですか?
ドキドキの方が多いですね(笑)
※2018年の「ヒクソングレイシーカップ国際柔術大会」で優勝。
格闘技アニメ「刃牙」を観て格闘家を志した
―格闘技との出会いを教えてください。
小さい頃に格闘技アニメの「刃牙(ばき)」をよく観ていました。それで格闘技に憧れて、4歳から空手を始めました。本当は総合格闘技をやりたかったんですけど、子供が通える総合格闘技のジムが沖縄になかったので……。
―では、総合格闘技を始めたのは何歳の時ですか。
その前に、小学3年生の時に柔術を始めて、中1からキックボクシングを始めました。総合格闘技を始めたのは中学3年生の時です。空手は小学6年生まで続けました。
―空手の次に柔術をやったのはなぜですか。
打撃だけでは総合格闘技では勝てないので、寝技も磨こうと思ったからです。あと、父が柔術をやっていたので、それに影響されたのもありますね。柔術とキックボクシングは今も続けています。
―つまり、柔術とキックボクシングと総合格闘技の三つを同時並行でやっているということですね。素人目には柔術とキックボクシングだけで十分な気もしますが。
倒されてからもパンチがあるので、そこの練習もやらないといけません。柔術とキックの間の技を磨くのが、総合格闘技のトレーニングです。
―なるほど。奥が深いんですね。
最初からプロを目指しているので、辛い練習も我慢できる
―初めての総合格闘技の試合のことは覚えていますか。
はい。覚えています。実は最初の試合は負けてしまったんです。相手はレスリング系の選手で、同級生でした。すごく悔しかったですね。
―小学生の時には柔術で世界一にもなっています。それでも、総合は難しかったですか。
はい。打撃は打撃、寝技は寝技だけではダメで、すべて繋がっているので、そこが最初は難しかったですね。でも、一生懸命練習して、次からは勝てるようになりました。
―練習は毎日どれくらいやっていますか。
朝の9時から夕方の6時まで、休憩をはさみながら、ずっとですね。
―学校には行かないのですか?
通信制の高校なので、勉強は、練習の合間に短期集中して頑張ってて、1日のほとんどの時間を練習に使えるんです。
―普段はどのような練習内容ですか。
午前中は寝技や立ち技をやって、午後からはグラップリングといって、柔術の道着がないバージョンの練習をします。間にランニングやウェイトをこなすって感じですね。
―休日は無いのですか。
日曜日が一応休みなんですけど、疲れてずっと寝てますね。
―辛くないですか。
辛い時もありますけど、最初からプロになろうと思って始めたので、我慢できます。特に今は試合前で、追い込む時期なので。
―試合に勝ったらご褒美とかは無いんですか。
次の試合で良い成績を残せばプロ昇格の権利がもらえるので、それがご褒美ですね。
―10月の全日本大会には何人ぐらい集まるんですか。
各地区大会の上位15人くらいだと聞いています。高校生は僕ともう一人ぐらい。あとは大人だそうです。
―それは強敵ぞろいですね。勝つ自信はありますか。
はい。がんばります。
スパーリングでは柔らかめ、ミット打ちでは硬めのグローブが好み
―道具についてお聞きします。普段はどのようなグローブを使っていますか
自分で購入したオープンフィンガーグローブを使っています。
―使用感で、何かこだわりはありますか。
スパーリングの時は打撃のダメージを抑えるために柔らかい方がいいんですけど、それ以外のミット打ちなどの時は、硬いほうが使いやすいですね。
―メンテナンスで気を使っていることはありますか。
汗でビチョビチョになるので、こまめに布巾で拭くようにしています。放っておくと匂いも臭くなるので。自分で購入しているので、大事に使っています。
RDXを使用してみて
―RDXのグローブを使ってみて、いかがですか。
デザインが格好よくて、丈夫で使いやすいですね。安いものだとすぐ破けちゃったりするので、やはり丈夫な方がいいです。
―感触についてはどうですか。
普段使っているグローブよりクッションが硬めなので、ミット打ちには良いですね。すごく気に入りました。
目指すは世界で活躍できるオールラウンダー
―弱点というか、課題はありますか。
今はタックルを“切る”のが苦手ですね。レスリング系の選手が相手だと簡単に倒されてしまいます。なので、タックルをされても倒れないようにする練習を、最近は重点的にやっています。
―コーチの先生はどんな風に教えてくれますか。
すごく分かりやすく教えてくれます。言葉というより体で、こんな風にやるんだぞって。
―家族は応援してくれますか。
はい。父はトレーナーもやってくれていて、セコンドとかマネジメントとか、自分でできないことを助けてくれています。母は食事を通して栄養面をサポートしてくれています。どちらに対してもすごく感謝しています。
―中学2年生の妹さんも総合格闘技をやっているんですよね。強いですか。
けっこう強いですね。練習をたまに一緒にします。
―柔道の阿部兄妹みたいに、2人で試合に出て活躍したいとは思いませんか。
いや、それはどうなんでしょう。まだ分からないですね(笑)
―将来は子供に格闘技を教えたいと思いますか。
実はもう、キッズクラスを教えています。昔の自分を見ているようで面白いですね。これから強くなってくれると嬉しいです。
―将来的にはどんな選手になりたいですか。
寝技も立ち技も何でもできるオールラウンダーですね。そして、世界で活躍できる選手になりたいです。
―目指すは世界チャンピオンですね。
そうですね。それはいつか分からないですけど。まずは次の大会でプロにならないといけないので、最初はそれが目標ですね。
―活躍を期待しています。
はい。ありがとうございます。
―「RDX SPORTS」はキッズボクシングを応援しています。今日は楽しかったです。ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。