インタビュー | 2024.2.28 Wed.
『ストリートワークアウトを日本でも広めたい』
彼はストリートワークアウト日本大会2連覇の実績を持ち、自重トレーニングの魅力をSNSやイベントで発信し続けている。
ストリートワークアウトは柔軟性やバランス感覚、そして創造性を育む競技であり、エンターテインメント性に富んでいる競技だと語る。
今回は、ストリートワークアウトの魅力を深く探るためにAFROMAN選手に取材を行いました。
AFROMAN(アフロマン)
所属:フリー
生年月日:1998年2月28日
身長:150㎝
出身地:大阪府摂津市
経歴:2021年.2022年 日本大会 優勝
2023年 アジア大会 準優勝
ストリートワークアウトはどこでも出来る競技
―自己紹介をお願いします。
AFROMAN)AFROMANとしてストリートワークアウトの活動をしております。ストリートワークアウトのトレーニングを始める前は髪型がアフロだったので、ジムの人にアフロって言われたことを機にAFROMANになりました。2019年にストリートワークアウトを始めて、2021年、2022年の日本チャンピオンになりました。2023年にはアジア大会で2位になりました。
―ストリートワークアウトとはどのような競技ですか。
AFROMAN)ヨーロッパ発祥の自重で体を鍛えるトレーニングがスポーツになっています。自重とは自分の体の重さを使ってトレーニングすることですが、腕立て伏せ、スクワット、懸垂等が有名なトレーニングです。それらをさらに発生させて、技として一つ一つの動きを繋げ得点にしていくスポーツになっております。ストリートワークアウトにも複数の大会があり、技としての芸術点を競うものもあれば、回数を競う大会もあります。
―ストリートワークアウトの歴史を教えてください。
AFROMAN)起源には諸説ありますが、僕が始めたきっかけにもなった主流な説は、フィットネスを行う際にジムに通う方もいますが、まずは軽く公園でフィットネスを始め、技を見せるようなパフォーマンスに変わっていったと聞いたことがあります。他にも、囚人が牢屋でトレーニングしていたことから始まった説もあります。各国に第一人者がいますが、アメリカのクリスヘリアという方が世界でも有名な第一人者だと思います。
―最近はご自身でも大会を開いているようですが、どのような大会か教えてください。
AFROMAN)主に三つあります。回数を競う競技。止まる秒数などを競う競技。止まったり、回数をこなしたり、技を連続で繋げてコンビネーションとして、2分間の流れで演技をするフリースタイルと呼ばれる競技です。僕が普段出ているのはフリースタイルです。今回開く大会はフリースタイルの中でも、演技ではなく即興でバトルをしてもらう競技です。
―開催場所はどちらでしょうか。
AFROMAN)起源の通りに公園で開催することもできるのですが、安全面に配慮する必要があり準備が大変になるので、東大阪にあるストリートワークアウト専門のジムで開催することが多いです。本来は階級も設けられているのですが、日本はまだプレイヤーが少ないので、階級分けせずに行っています。フリースタイルの大会には、日本各地から多くて30名程度の方が参加されます。
―どのように大会を周知しているのでしょうか。
AFROMAN)基本的にはSNS上で告知をしています。大会に出ていることで繋がりがある人に対して、インスタグラムやX (旧 Twitter)等で直接連絡をしています。X (旧 Twitter) ではリポストしてもらえるので、そこで直接は僕を知らない人にも拡散してもらっています。
技が出来る喜びからストリートワークアウトにはまっていった
―AFROMANさんの幼少期についてお聞きします。子供の頃から運動は好きだったのでしょうか。
AFROMAN)子供の頃から動くのが好きで、どちらかというと勉強よりも運動ばかりしていたタイプです。様々なスポーツに取り組んでいましたが、一番長く続けたのはラグビーで、中学入学時から高校卒業まで続けました。新入生歓迎会の時に、ラグビーはボールを持って走るだけのスポーツと騙されて入部したので、いかにやめるかをずっと考えていましたが、結局やめられず6年間続けました。
―ストリートワークアウトに出会ったのはいつ頃ですか。
AFROMAN)20歳の時です。高校を卒業して社会人になりましたが、学生時代から身体を鍛えることが好きでジムに通っていました。特に懸垂が好きだったのですが、懸垂ができる公園が大阪になく、懸垂ができる場所を探したところ、たまたま今行っているジムに出会ったのがきっかけです。始めた当初から面白くてのめり込みました。
―始めた当時は、どのような点が面白いと感じたのでしょうか。
AFROMAN)最初は純粋に技ができるとかっこいいと思いました。できた時の喜びと、褒めてくれる周りの環境が相まって、楽しいし、自分にもプラスになるなと思いました。もともとウエイトトレーニングをやっていた身からすると特別な感じがしたので、自重も楽しいなとなったところが始まりです。
―運動の他に学生時代に興味があったものはありましたか。
AFROMAN)実際にやる機会はなかったのですが、一番興味があったのはブレイクダンスです。独学で回るのは何種類かできるようになりましたが、ステップとかはできないです(笑) 幼いころから目立ちたがりというか、技という概念がすごく好きでバク転とかバク宙とかをするのも好きでした。
―ストリートワークアウトの練習というのは通常のフィットネスとは違ったトレーニング方法を行うのでしょうか。
AFROMAN)基本は腕立て伏せや懸垂といった簡単な動作の派生なので、あまり特殊なトレーニング方法はないです。ただ、求めるレベルの動作によっては、普通の人から見たら特殊に見えるかもしれません。練習は設備が整っている場合はジムで行う人もいますが、地方の方や1人でやっている方は、自分で単管で鉄棒を作ったりして練習しています。家の中で作ることもできて、2-3万円程度の費用で制作が可能です。
―ストリートワークアウトをされている男女比はいかがでしょうか。
AFROMAN)女性の方もいますが、男性と比べると少ないです。男性はかっこいい技をしたいという少年のような動機で始める人が多く、女性は美しくなることを目標にしてフィットネスを行う人が大半です。女性のフィットネス人口は年々増えてはいますが、女性で技をしたい人はあまり多くない印象です。
―今は仕事でフィットネスインストラクターもされていますよね。
AFROMAN)資金を貯めたいので、様々なチャレンジをしています。ストリートワークアウトに通ずるように頑張りたいです。
フィットネスを通じて人とのつながりが広がるのが楽しい
―改めて、ストリートワークアウトという競技の魅力はどのようなところですか。
AFROMAN)楽しく自分のなりたい体になっていけることです。また、技数が多いので、技ができた時の達成感を多く味わえることものめり込めるポイントです。競技をしていく中で自然と繋がりも増えてきて、仲間たちの支えもあり活動できることも楽しいです。
―ストリートワークアウトをやりたいと思ったら、まずはどのように行動するべきでしょうか。
AFROMAN)ストリートワークアウトに興味をもったら、ぜひ僕にDMをください。最近は少しずつ連絡をくれる方が増えているので嬉しいです。僕自身は、腕立て伏せ、懸垂のように知っているトレーニングからとりあえず始めて、最初は回数にこだわって取り組んでいました。
―今後ストリートワークアウトをどのように日本で広げていきたいですか。
AFROMAN)自分たちだけが楽しむだけでは競技として発展しないので老若男女問わず多様な層を取り込んでいきたいです。日本のフィットネス人口は少しずつ増えているので、体を動かすということで心身共に健康を得られることを伝えていきたいです。自重トレーニングは自分の体で行う分、怪我のリスクも少なく、簡単に始めやすいので、幼少期にトレーニングをするのは駄目と思われている若年層や、お年寄りの層、女性、様々な人に向いている競技です。本来はストリートワークアウトというだけあって、公園などで行うようなトレーニングなので、僕自身もたまに公園に出向いてコミュニティを広げています。初めて会った方たちとトレーニングをしたり、輪が広がっていくのが一番良いのかなと思っています。
―AFROMANとしての将来的なビジョンや目標があればお聞かせください。
AFROMAN)ストリートワークアウトという競技自体の認知を広め、新しいフィットネスとして始める人が増える事、ストリートワークアウトがメジャーなスポーツになるというのが目標です。
―ありがとうございます。ストリートワークアウトの発展を切に願っております!
AFROMAN
RDX Japan編集部
インタビュアー 上村隆介