BRIDGE OF DREAMS りぃたろす

インタビュー | 2025.12.11  Thu.

聖闘士星矢が筋トレを始めたきっかけです

コスプレイヤーとして活動する傍ら、リングガールとしても活躍する、りぃたろす。

日本のコスプレイヤーは世界的にも高い評価を受けており、キャラクターになりきるためにトレーニングを取り入れる人も少なくない。

聖闘士星矢のコスプレをきっかけに筋力トレーニングを始めた彼女は、その流れの中でリングガールとしてリングに立ち、さらに将来的にはプロレスラーという新たな挑戦も視野に入れている。

コスプレ、フィットネス、そしてプロレス

一見異なるジャンルを一本のストーリーとしてつなぐ、りぃたろすの現在地と、その先に描く未来について話を聞いた。

りぃたろす

生年月日:3月12日
身長:161 cm
出身地: 大阪府

経歴:
コスプレイヤー、リングガール、元スーツアクター

9年以上のコスプレ活動を通じて、キャラクターを忠実に表現するため筋力トレーニングを開始。現在はプロレス団体「PPPTOKYO」のリングガールとして活動するほか、ヒーローショーの元スーツアクターとしても活躍。将来的にはフィットネス大会、プロレスラーへの挑戦も視野に入れている。

聖闘士星矢がくれた“筋トレ開眼”の瞬間

ー RDXとしてリングガール兼コスプレイヤーの方にインタビューさせていただくのは、今回が初めてです。まずは、活動名「りぃたろす」の由来からお聞かせいただけますか?

りぃたろす)活動名の「りぃたろす」は、好きなキャラクターをくっつけて作った名前なんです。「ストリートファイター」の春麗(チュンリー)の「リー」と、「仮面ライダー電王」に出てくるモモタロスの「タロス」。この2つを無理やりドッキングして「りぃたろす」になりました(笑)

ーコスプレイヤーとして活動されていることもあって、ゲームや特撮のキャラクターが名前のルーツになっているんですね。

りぃたろす)そうですね、もともとゲームも特撮も大好きで、コスプレ活動もそこから始まっています。コスプレ歴はもう9年くらいになります。最初は純粋に「好きだから着たい」で始めたんですけど、続けていくうちに「どうやったら本当にそのキャラに見えるか」というところまで突き詰めたくなっていきました。

ー 筋トレを本格的に始めたきっかけは何だったのでしょうか。

りぃたろす)それも完全に「コスプレありき」です。「聖闘士星矢」の星矢のコスプレで、ワールドコスプレチャンピオンシップというパフォーマンス大会にチャレンジしたいと思ったのがきっかけでした。

当時の自分の体はすごく細くて、「戦うキャラなのに線が細すぎるな」と違和感があって。
「これは中身から変えないと説得力がない」と思って、星矢になるために筋トレを始めました。

聖闘士星矢への憧れが、筋トレの原点だった

「リングの一番明るい場所」に立つということ

ーリングガールとしても活動されていますが、そのきっかけは何だったのでしょうか。

りぃたろす)もともと、クラブでバニーガールの仕事をしていた時期があって、その時に撮った写真をSNSに載せていたんです。その写真が思った以上にバズってしまって(笑) ちょうどそれを見かけてくださったのが、今所属しているプロレス団体「PPPTOKYO」の三富 兜翔 総帥でした。

「この子おもしろいな」と思って声をかけていただいて、そこからリングガールとして呼んでいただくようになりました。

ー 実際にリングガールとしてリングに上がってみて、どんなことを感じましたか?

りぃたろす)めちゃくちゃ面白いです。普段の生活で、自分にライトがガッと当たる瞬間ってなかなかないじゃないですか。でもリングガールの時は、観客の皆さんが「うおー!」って歓声を上げてくれて、一番光が当たる場所に立てる。

リングの上でポーズを決めて、歓声が返ってくる瞬間は、日常では味わえない高揚感があります。さらに、すぐそばでプロレスの試合も見られるので、迫力が本当にすごいです。

ー リングガールというとラウンドボードだったりスポンサーロゴが載っているパネルを持つイメージがありますが、PPPTOKYOの場合は少し違うんですよね。

りぃたろす)そうなんです。PPPTOKYOではボードを持たないスタイルなんですよ。選手の入場に合わせて一緒に登場して、リングに上がる前にポーズを決めて盛り上げて、選手がリングインしたらカメラに向かってポーズ、そしてスッとはけるという流れです。

試合の邪魔にならないように、でもしっかり華を添えられるように、というバランスを意識しています。

リングに立った瞬間、世界の見え方が変わった

ー リングガールとして活動するうえで、自分の中で決めているルールはありますか?

りぃたろす)「一度着た衣装は二度と着ない」ですね。公演ごとにテーマを決めて、毎回違う衣装を用意しています。猫ちゃん系にしようか、バニーにしようか、色はどうしようか……。全部自分で考えるので、正直けっこう大変です(笑)

でも、写真を見返した時に「この公演はこの衣装だよね」と一発で分かるし、お客さんにも「次はどんな衣装かな」と楽しみにしてもらえたら嬉しいなと思って、あえてハードルを上げるルールにしています。

ヒーローショーの「中の人」という特殊な現場

ー普段のお仕事も、身体で魅せる“表現のお仕事”がメインなのでしょうか。

りぃたろす)かつては、イベント現場でヒーローショーのスーツアクターとして活動していました。仮面ライダーや戦隊ヒーローのように、スーツを身にまとい、身体表現でキャラクターを演じる役割です。身近にスーツアクターとして活動している方がいて、「バイトでやってみない?」と声をかけてもらったことが、この世界に入る最初のきっかけでした。

実際にスーツを着てヒーローを演じてみると、「自分の身体そのものがキャラクターになる」感覚が想像以上に楽しく、その魅力に強く惹かれていきました。その後は自ら仕事を探しながら経験を重ね、スーツアクターとしての活動に本格的に取り組んでいました。

ー まさに「体で見せる仕事」ですね。

りぃたろす)お客様から直接顔が見える仕事ではありませんでしたが、その分「動き」や「立ち姿」で、どれだけキャラクターを表現できるかが勝負だと感じていました。靭帯の剥離骨折を経験した時期もあり、一時的に営業やMCといった別の役割に携わることもありましたが、その経験も含めて、身体表現と向き合う時間になっていたと思います。

ー普段から身体を使うお仕事が中心だと伺いましたが、本格的にトレーニングを始められたのはいつ頃からですか?

りぃたろす)ゴールドジムに入会したのが昨年の12月です。ただ、そのうち2ヶ月は完全にサボってました(笑) なので実質トレーニング歴は10ヶ月くらいですね。周りのトレーニング仲間からは「伸びしろある」「才能ある」と言って貰えてるので、これから尚のこと気を引き締めて頑張っていこうと思います!

自分でも、10ヶ月前と今の背中の写真を見比べると、別人レベルで変わっていて。「背中が一番変わった」と胸を張って言えます。

ー かなりのハイペースですよね。今はどれくらいの頻度でトレーニングしているんですか?

りぃたろす)週6です。1回あたり2時間〜2時間半くらいです。まわりからは「長すぎ!」ってツッコまれるんですけど(笑) 自分にとっては、それだけやってもまだ足りないくらい楽しくて。元々ハマりやすい性格なので、完全に筋トレが「沼」になっていますね。

ー 特に意識して鍛えている部位はどこでしょうか。

りぃたろす)今は背中です。来年のEVO(格闘ゲームの世界大会)で、「ストリートファイター6」に登場するエレナのコスプレをしたいんです。エレナってカポエラのキャラクターで、背中と肩がすごく大きくて綺麗なラインなんですよ。私自身もカポエラを少しやっているので、エレナをやるなら背中で魅せたい。だから、コスプレしたときに後ろ姿で語れるように、今は背中を一番優先して鍛えています。

理想の体が、トレーニングの原動力になっている

筋トレがくれたポジティブな心と、ボディメイクのこだわり

ー トレーニングを始めて、体やメンタルにどんな変化がありましたか?

りぃたろす)もともと明るい性格なんですけど、筋トレを始めてからさらに明るくなりました。細かいことで怒らなくなったし、誰かに遅刻されても「その間にジム行けばいいか」と思えるようになって(笑) とにかく、いい意味で執着しなくなったというか、ポジティブに受け流せるようになりました。

体の変化でいうと、やっぱり背中が一番。さっきも言いましたが、10ヶ月前の写真と今の写真を見比べると、広がりも厚みも全然違っていて、自分でも驚くくらいです。

特に変化を感じているのは、背中の肉付きだ

ー フィットネスギアは普段どんなものを使っていますか?

りぃたろす)普段は手首を守るリストラップや、バーを握るときに使うストラップは必需品ですね。手首は一度痛めたこともあるので、そこはしっかりケアするようにしています。リストラップはRDXさんのを使っています(笑)

ただGYMグローブは使わないんです。手のひらにできるマメは、私にとっては「頑張ってきた証」「勲章」みたいなものなのであえて隠さないです。マメはちょっとかっこいいなって思っています。

膝周りはあまりケアできていないので、今後はニーサポーターも取り入れていきたいですね。レッグプレスをするときなど、たまに「あ、今の動きちょっと怖いな」と感じることもあるので。

ー 食事やサプリメントの面では何か特別なことを意識されていますか?

りぃたろす)食事管理はもちろん意識していますが、それに加えてサプリメントも取り入れています。グルタミンやクレアチンは、トレーニング仲間からすすめられて飲み始めました。

飲み続けていると、「あ、今日ちょっと回数伸びたな」「粘れるようになってきたな」と感じることが増えましたし、ニキビが減ったり肌が少し綺麗になったりと、見た目の変化も感じています。体の内側から整っていく感覚があって、今では欠かせない存在です。

ー ボディラインづくりのためのこだわりもあれば教えてください。

りぃたろす)くびれです。夜寝るときに、ウエストをギュッと締めるためにベルトを巻いて寝ています。かなり苦しいんですけど、その分、ラインがしっかりと出てくるので。

コスプレでもフィットネスでも、ウエストのラインはすごく重要だと思っていて。衣装に身体を合わせていく感覚が好きなので、「くびれづくり」は日々のルーティンになっています。

フィットネス大会優勝から、プロレスのリングへ

ー 今後の大きな目標についても教えてください。

りぃたろす)まずはフィットネスの大会に出て、しっかり結果を残したいです。憧れているのは「ブラマジ田中ちゃん」という選手で、彼女が出場している「Wellness – Fitness World Japan」を最終的な目標にしています。しっかり筋肉があって、ウエストも絞れていて、上半身も大きくて──そういう体型を目指しています。

ただ、いきなりそこを狙うのはまだ早いと自分でも感じているので、まずは「サマースタイルアワード」のグラマラス部門で優勝することを中期的な目標にしています。グラマラス部門は、女性らしいラインを残しつつ出場しやすいカテゴリーでもあるので、「登竜門」としてぴったりかなと。

2026年はフィットネスコンテストでの入賞を目指す

ー フィットネス以外にも、これから挑戦してみたい活動やジャンルはありますか?

りぃたろす)はい、PPPTOKYOの三富総帥から、「レスラーに向いてるから、やってみないか」と勧誘していただいているんです。正直、プロレスにはリングガールになるまでほとんど興味がなかったんですけど、目の前で試合を見続けるうちに、プロレスの迫力やエンターテインメント性にどんどん惹かれていきました。

今はまだ、仕事との兼ね合いや、大阪にいるおじいちゃん、おばあちゃんのこともあって、来年8月のデビューのお話には「ちょっと待ってください」とお伝えしている状態です。
ただ、自分の中では再来年以降にデビューできたらいいな、というイメージは持っています。

コスプレ×フィットネス×プロレス。その交差点から見える未来

ー プロレスは、他の競技と比べてもメディア露出の面で大きな魅力があると感じますか?

りぃたろす)そう思います。PPPTOKYOでも、デビューしたばかりの選手がすぐにYahoo!ニュースに取り上げられたり、YouTubeで試合が配信されたりしていて、「こんなにスポットライトが当たるんだ」と驚きました。

ー 最近の女子プロレスに参加される方は綺麗で個性的な方が多いですよね。りぃたろすさんにもあっているような気がしますし、背景含めて応援してくれる人は増えていきそうです。

りぃたろす)ありがとうございます。コスプレ、フィットネス、プロレスって、一見バラバラに見えるかもしれないですけど、私の中では全部「キャラクターを生きる」という軸でつながっています。

体を鍛えることで、キャラクターになり切れる。
リングガールとして光を浴びることで、プロレスの世界をもっと好きになる。

応援してもらえるような存在になれたら嬉しいですし、「コスプレやってて、筋トレ始めて、気づいたらプロレスラーになっていた」という生き方が、誰かの背中を押すきっかけになったらいいなと思います。

ー 本日はインタビューを受けていただきありがとうございました。様々なフィールドで活躍する姿をこれからも楽しみにしています!

りぃたろす

RDX Japan編集部
インタビュアー  上村隆介

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