GLORY BEYOND DREAMS 濱口 奏琉 インタビュー

インタビュー | 2026.3.26 Thu

「プレッシャーは全く感じていません」

2026年5月10日(日)、GLION ARENA KOBEで開催される『RIZIN.53』。
この大舞台でRIZIN初参戦を果たすのが、濱口奏琉 選手。

インタビューで現在の心境を尋ねると、彼は一切の気負いを見せなかった。
むしろ、その表情からは、早くリングに立ちたいという純粋な昂揚感が溢れている。

今回は、初陣を控えた濱口の「今」を届ける。

濱口 奏琉(はまぐち そうる)

生年月日:2003年3月3日
出身地:大阪府

経歴:幼少期から極真空手を学び国際大会で2連覇を達成。中学・高校・大学と柔道、レスリングを突き詰め、大阪府強化選手や西日本新人選手権優勝など、輝かしい競技実績を残す。2022年に総合格闘技へ転向し、わずか半年でDEEPフューチャーキングトーナメント優勝。2023年7月のプロデビュー以降、着実なキャリアを積み重ねている。

RIZIN初参戦、ワクワクしかない

ーまずはRIZINへの初参戦、おめでとうございます。まずは決定した瞬間の心境を教えてください。

濱口)ありがとうございます。純粋に「嬉しい」という気持ちが一番でした。今回の話が決まったのは、DEEPの事務所に伺った直後だったんです。自分としても「今年はチャンスがあるかもしれない」と予感していたので、驚きよりも「ついに来たか」という納得感のほうが強かったですね。

ー昨年から出場への期待の声もあったかと思いますが、満を持しての今回の参戦決定という点について、ご自身ではどのように受け止めていますか?

濱口)そうですね。本来であればもう少し早くたどり着けるはずの場所でした。ただ、この1年間で経験した勝敗や、自分自身の内面的な成長を考えると、今このタイミングで立てることに意味があると感じています。あの期間があったからこそ、今の自分がある。悔しさも糧にして、確実に一歩ずつ前に進んできました。

満を持してRIZINへの参戦が決定した

ーこれまでDEEPを主戦場として戦ってこられましたが、その経験は、今回のRIZINという舞台でどのように活かされると感じていますか?

濱口)DEEPは僕を育ててくれた、かけがえのないホームです。DEEPにはDEEPの良さがあり、RIZINにはRIZINの良さがある。どちらがどうというものではなく、DEEPでしっかりと実力を蓄え、試行錯誤を繰り返してきたからこそ、今こうして自信を持ってRIZINという大きなステージに立つことができます。DEEPでの戦いは、僕の格闘家としての土台であり、誇りです。

ー次戦は会場の規模も大きくなりますが、プレッシャーとワクワク感、今の濱口選手の心境としてはどちらが大きいですか?

濱口)不思議なことに、プレッシャーは全く感じていません。むしろ、多くの人の目に触れることにワクワクしています。リングに上がれば、周りの雑音は消える。僕は自分のやるべきことに集中するだけです。「みんな見とけよ」という強気な気持ちで、ただリングに向かいたいですね。

ーRIZINの出場が決まったことで周囲の方々の反応はいかがでしたか?

濱口)仲間や友人たちは本当に喜んでくれました。ただ、家族は少し違って、「ここからがスタートラインだね」と言ってくれました。その言葉で改めて気が引き締まりましたし、浮かれることなく、地に足をつけて準備に取り組もうと決意しました。

ーRIZINといえば、演出も魅力の一つです。一番楽しみにしていることは何ですか?

濱口)演出ももちろんですが、それよりもリングの上に立つ瞬間が一番楽しみです。DEEPとはまた違う雰囲気のなかで、自分がどう反応し、どんな空気を纏うのか。リングでしか味わえないあの緊張感と高揚感に、今から一番ワクワクしています。

ー対戦相手の砂田華杜 選手については、どう分析していますか?ボクシング上がりでプロになってからまだ無敗の選手です。

濱口)ボクシング技術が非常に高い選手だという認識です。そこはしっかりと警戒しなければいけません。ただ、あまり相手に合わせすぎず、自分のやるべきことにフォーカスすることを課題にしています。相手軸ではなく、自分自身の戦いをいかに表現するか。それが今回の一番のテーマです。

ー連勝中の選手もいる中で、濱口選手は勝ち負けの両方を経験されています。その経験を経て、今の濱口選手にはどのような強さが備わったと感じていますか?

濱口)どん底を知っている、ということは最大の強みだと思います。負けた後にどう立て直し、どう改善してまたリングに上がるか。表に見せることはないですが試合に負けたあとは悔しくてメンタル的にもだいぶ落ちます。そのプロセスを繰り返してきた経験は、一発勝負のリングで必ず差として現れるはずです。相手は勢いがあるかもしれませんが、僕は「壁を乗り越えてきた強さ」をぶつけたいと思います。

格闘技への全投入
それが「全集中」の源

ー空手、柔道、レスリングと多彩なバックボーンをお持ちです。柔道、レスリングは競技的に寝技にフォーカスされやすいですが、打撃についての自信はいかがですか?

濱口)寝技が得意だと思われてますが格闘技を続けるなかで、打撃の技術も磨いてきましたし、自信もあります。レスリング出身だからといって、それだけに頼るつもりはありません。自分の持つ引き出しをすべて開けて、見応えのある面白い試合をお見せ出来ると思います。

ー以前、SNSで全集中の大切さを語られていましたね。今回の舞台に向けて、その集中を今の練習環境でどのように深めていますか?

濱口)前回の試合で、全集中という感覚を掴むことができました。今回はそれをさらに超えて、超集中(スーパーな状態)を目指しています。そのためには生活のすべて、練習、食事、睡眠を格闘技に捧げ、すべてをフォーカスさせる。これを徹底することで、試合当日に最高の集中力を発揮できると考えています。

覚醒の3月8日、真の「全集中」を掴んだ

ートレーニング環境についてもお聞きします。今までは試合前にタイで調整していましたが今回は日本での調整を選択されたそうですね。

濱口)はい、これまでは試合前にタイで練習することもありましたが、今回は日本での調整を優先しました。名古屋にある寒天ファイトスピリットで練習しているのですが、元プロ選手の春日井”寒天”たけしコーチの存在が本当に大きくて。去年の10月からずっと見ていただいているんですが、ジムでの指導はもちろん、食事やメンタルケアまで、まるで父のように親身になって支えてくれています。

ー信頼関係が深まっているのですね。

濱口)そうなんです。二人三脚で歩むなかで、練習への取り組み方も変わり、パフォーマンスも明確に向上しました。自分一人で追い込むのではなく、周りに支えられ、いい循環の中にいる。今、自分の環境は本当に恵まれていると実感しています。

リングの上で証明する
僕のアートを見て欲しい

ー話しは戻りますが、RIZINのファンの中には濱口選手を初めて見る方もいると思います。どんな部分を一番見てほしいですか?

濱口)今の格闘技界には、ファイトスタイルで魅せる選手もいれば、それ以外の魅力で盛り上げる選手もいます。僕はリングの上で自分の強さを証明し、戦いのなかで「色気」を出し、観客の心を掴む。MMAはアートだと思っているのでファイトそのものが一つの作品となるような姿を見てほしいですね。

ー今後の展望として、戦いたい相手などはいますか?

濱口)まずは目の前の試合に全力を尽くすこと。その先には、強い外国人選手とも戦っていきたいという目標があります。タイでの練習を通じて、体格の差やパワーの違いを肌で感じてきましたし、十分に勝負できる手応えも掴んでいます。海外の強豪と渡り合い、勝つ姿をファンの方に見せたいです。

ー最後に、応援してくれるファンの方々へメッセージをお願いします。

濱口)会場や舞台が変わることは、僕にとって新しい挑戦です。ただ、やるべきことは変わりません。自分の強さを信じ、これまでの経験をすべてリングの上で爆発させます。試合当日の取り組み、僕の生き様、そして闘いそのものを、一つの作品として皆さんに届けたいと思います。ぜひ、僕の戦いを目に焼き付けてください。

編集後記:RDXアンバサダー就任当時、彼は総合格闘家としてスタートしたばかりでした。彼をアンバサダーに迎えた決め手は、その真摯な人柄と、格闘技に全てを注ぎ、決して手を抜かない実直な性格です。挑戦者として大舞台に立つ今という瞬間を、心ゆくまで楽しんでほしいと願うばかりです。(RDX Japan 編集部)

インタビュアー  上村隆介

濱口 奏琉

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